「ChatGPT、業務で使っていいの?」と聞かれたら

「ChatGPT、業務で使っていいの?」と聞かれたら

社員からChatGPTを使いたいと言われ、許可を出せずにいる。そんな経営者・人事担当者は多いはずです。

結論から言えば、利用範囲と入力ルールを明確にすれば、多くの企業でスモールスタートは可能です。禁止だけでは、管理外での利用を招きやすくなります。重要なのは、使わせないことではなく、安全に使わせることです。

不安の正体は「どこまでがOKかわからない」こと

IPAの2024年調査では、AI利用企業の60.4%がセキュリティ上の脅威を感じている一方、生成AI利用に関する規則や体制が整備されている企業は20%未満でした。「怖いけど何をすればいいかわからない」まま止まっている企業が大半です。

リスクの本質は、何を入力してよいかが曖昧なことです。ChatGPTは、利用プランや設定によってデータの扱いが異なります。個人向け利用では設定確認が必要で、Business/Enterpriseなどの業務向けプランではワークスペースデータを学習に使わない仕組みが用意されています。だからこそ、入力してよい情報と禁止する情報を先に決めることが重要です。

個人情報や機密情報を含めずに使えるパターン

業種を問わず、個人情報や機密情報を含めずにChatGPTを活用できるシーンは多くあります。ここでは例として、接客・対人業務のある職場を想定して紹介します。

① 対応メールの文体を整える

「お客様が怒っている。でも何と返せばいいかわからない」という場面で、固有名詞や個人情報を除いた状態で状況だけを入力すると、謝罪と解決策を組み合わせた文章の叩き台を数秒で出してくれます。

多くのケースでは、個人情報を除いた状況説明だけでも文面の叩き台作成に役立ちます。出力は必ず人が確認し、顧客対応の最終判断は社内ルールに沿って行いましょう。どの業種でも、問い合わせ・クレーム対応の文章作成には同じ考え方が使えます。

② FAQ・トーク例を量産する

繁忙期や新サービスの展開前など、「よくある質問への答え」をスタッフ全員に浸透させるのは時間がかかります。ChatGPTにサービスの概要と想定される質問を渡せば、FAQ下書きを一気に出力できます。出力は必ず人が確認し、制度・法務に関わる内容は社内ルールに沿って監修する必要があります。営業・販売・サポートどの部署でも使えるパターンです。

③ マニュアルの叩き台を作る

「マニュアルを整備したいけど誰も書く時間がない」は多くの現場で聞く声です。業務の流れや注意点を箇条書きで渡すだけで構成が出てきます。そこに自社のルールを上書きして完成させれば、ゼロから書くよりはるかに時間が短縮できます。

やってはいけない使い方も明確にしておく

  • 顧客の名前・連絡先・購入履歴などをそのまま入力する → NG
  • 社内の未公開情報(売上データ、採用情報など)を入れる → NG
  • 個人アカウントを複数スタッフで使い回す → NG(権限管理や監査が難しくなり、退職時のアクセス遮断も困難になる)

「禁止」より「使い方を教える」

ChatGPTを禁止しても、個人のスマホから使う社員は止められません。管理外で使われる方がリスクは高い。

「何がOKで何がダメか」を社員が自分で判断できるようになることが、最も現実的な安全策です。

岩崎教育サービスのChatGPT研修では、こうした「現場でそのまま使えるルール感覚」を身につけることを重視しています。また、DX部署やIT推進ご担当者様向けの研修も行っております。お気軽にご相談下さい。
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