研修を「わかった」で終わらせない。
社員の「できる」を引き出す教え方
社員研修では、講師の説明を聞いて知識を理解するだけでなく、学んだことを職場で使えるようになることが重要です。
では、研修中の「わかった」を、自分で取り組める「できる」へ変えるには、どのような教え方が必要なのでしょうか。
今回は、岩崎学園情報科学専門学校 主幹の那須宗夫先生に、初心者への教え方や実習、個別フォローの工夫、企業研修を設計するうえで大切にしていることを伺いました。
テキストの順番ではなく、目的から考える
専門的な内容を初めて学ぶ人に教えるとき、最初に意識していることは何ですか。
那須先生:
授業では、「何を学ぶか」だけでなく、「それを使って何をしたいのか」から考えることを大切にしています。テキストを最初から順番に進めるだけではなく、まず目的を明確にするということです。
例えば画像編集であれば、機能を順番に覚えるのではなく、「画像の背景を消したいときはどうするのか」といった具体的な目的を設定します。そのうえで、目的を実現するために必要な操作を教えていきます。
企業研修でも、まずは事前の打ち合わせで目標を決めます。研修を通して何ができるようになりたいのかを確認し、その目標に合わせて教材や内容を組み立てていきます。
初心者にも、基礎から丁寧に教える
専門分野に苦手意識がある受講者には、どのように対応していますか。
那須先生:
岩崎学園では、高校卒業後に初めて専門分野を学ぶ学生を教育してきました。初心者が基礎から学び、エンジニアとして成長していくための教育を行っています。
企業研修でも、受講者が最初から知識を持っていることを前提にはしていません。基礎から丁寧に説明し、わからないことがあれば講師がサポートします。
一人ひとりがどこでつまずいているのかを確認し、それぞれに合わせてアドバイスすることも大切にしています。必要に応じて、休み時間や補講などでもフォローします。
毎回の実習で「できた」を積み重ねる
「わかった」で終わらせず、「できる」に変えるために、どのような工夫をしていますか。
那須先生:
講師が前に立って説明し、それで終わりという授業にはしていません。実習を取り入れ、受講者自身に手を動かしてもらいます。実際に取り組む中でわからないことがあれば、講師がその場でサポートします。
また、毎回の授業で成功体験を積めるように、課題やマイルストーンを設定しています。
例えばExcelの研修であれば、「今回はVLOOKUPまで」というように、その時間で目指すところを決めます。一つずつ課題に取り組み、「自分でできた」という経験を積んでもらうことを大切にしています。
経験差に合わせて研修内容を組み立てる
受講者によって理解度や経験に差がある場合、どのように進め方を調整していますか。
那須先生:
社会人研修では、受講者によって知識のレベルやこれまでの経験が異なります。そのため、研修を始める前のヒアリングをしっかり行うことが重要です。
事前の打ち合わせで研修の目的と目標を確認し、それに合わせて内容を組み立てます。研修内容のカスタマイズを追加のオプションとは考えず、最初から企業ごとに内容をつくることを前提にしています。
岩崎学園には、各専門学校で実際に行っている授業や教材があります。その中から社会人研修に必要な部分を取り出し、企業の目的に合わせた研修をカスタマイズすることができます。
企業から求められる技術を教育へ取り入れる
情報の移り変わりが激しい分野では、どのように新しい技術や情報を取り入れていますか。
那須先生:
岩崎学園は、学生を教育するだけでなく、就職につなげるところまでを担う専門学校です。就職を通じて企業とのつながりがあるため、企業から求められている内容を授業へ取り入れることができます。
AIをはじめ、その分野の新しい技術や情報も入ってきます。そうした変化に合わせて教育内容を更新し、世の中で使われている技術と授業の内容が離れないよう、実践的に教えています。もちろん、新しい技術だけでなく、土台となる基礎技術もしっかり教えます。
例えばWeb制作では、タグやスタイルシートをある程度学んだ後、AIにコードを作らせ、それをどのように改造するかを考える授業も行っています。
学ぶためのきっかけを持ち帰ってほしい
最後に、新しい知識や技術を学ぶ社会人へメッセージをお願いします。
那須先生:
基礎を学び、それまで知らなかったことを知ることで、自分で取り組めることが少しずつ広がっていきます。
研修では、職場で活用するためのきっかけや、具体的なやり方もお伝えします。それを職場へ持ち帰り、実際の仕事に活かしてもらいたいと思っています。
知らなかったことを知ることが、「自分でもやってみよう」と思うきっかけになります。岩崎学園の教育では、そのきっかけをつくることを大切にしています。
「わかる」を、職場で使える力へ
岩崎学園の教え方は、講師が知識を説明して終わるものではありません。
研修の目的に合わせて内容を組み立て、受講者自身が実習に取り組む。毎回の課題で成功体験を重ね、わからない部分には個別に対応する。専門学校教育で培ってきた実践的な教え方を、企業研修にも活かしています。
岩崎教育サービスでは、企業の課題や研修の目標を事前に伺い、それぞれの目的に合わせた研修をご提案します。お気軽にご相談ください。
インタビュー協力
岩崎学園情報科学専門学校
主幹 那須 宗夫 先生